基礎から学ぶ自動車保険③【最低限必要な補償内容とは】

最近の自動車保険は、保険金の設定や特約などを見直すことで保険料を抑えられるようになっていますが、必要最低限の補償内容がわからなければ、何を削ればいいのかわからないかと思います。
そこで今回は、おもな補償項目について、どのような補償内容にすればいいかということについて説明いたします。

対人賠償責任保険と対物賠償責任保険

自賠責保険が補償するのは対人賠償のみで、死亡時の限度額は3000万円、傷害時の限度額は1200万円、後遺障害の場合は障害の等級や要介護状態かどうかによって限度額が変動し、75万円~4000万円となっています。
近年、自賠責保険の限度額を大きく超える億単位の損害賠償を命じる判決は増えており、自賠責保険だけでは不十分だということは言うまでもありません。
こうした自賠責保険で不足する部分をカバーしてくれるのが、任意自動車保険の対人賠償責任保険です。
やはり、加入するのは当然ですし、保険金の設定は無制限にしておくべきでしょう。
実際に、損害保険料率算出機構が発表した「自動車保険の概況 平成26年度(平成25年度データ)」によると、自家用乗用車向けに契約されている対人賠償責任保険のうち99.8%は、保険金が無制限に設定されているのです。

対物賠償責任保険は、自動車事故で他人の財物に損害を与えてしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われるものです。
こちらも、億単位での損害賠償責任を負う可能性がありますので、保険金は無制限で設定しておくことをおすすめします。
先ほど紹介した「自動車保険の概況 平成26年度(平成25年度データ)」によると、自家用乗用車向けに契約されている対物賠償責任保険のうち94.8%は、保険金を無制限に設定されています。

ここまでの対人賠償責任保険と対物賠償責任保険については、平成26年3月末現在で自家用乗用車のそれぞれ約79.9%で契約されているもので、多くの方が加入されているものです。
少なくとも上記2つの保険には加入するようにしてください。

人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険

先に挙げた対人・対物賠償責任保険は、あくまで被害者である相手側の損害を補償するものです。
自動車事故の加害者になったときに、加害者自身の損害を補償してくれるものが人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険といったものになります。
ただし、これらの保険は生命保険や医療保険でも補償される内容です。
また、人身傷害補償保険は、契約した車に搭乗中の事故で搭乗者全員に適用されるだけでなく、記名被保険者とその配偶者、同居の親族、別居の未婚の子であれば、他の車や歩行中などに自動車事故に遭った場合にも適用される強力な保険です。
例えば、同居の親族が別の自動車保険で人身傷害補償保険を契約していれば、新たに契約しても保険が重複してしまうだけですので、ご家族の状況や、他の保険の加入状況や契約内容をまずは確認するようにしてください。

人身傷害補償保険のほかにも、車両保険やさまざまな特約など、契約者の状況に応じて契約の有無を選択すべきものは他にもあります。
そこで次回は、このような補償内容を中心にご説明していきたいと思います。

この記事を書いた人

大滝 よう子(ファイナンシャル・プランナー)
  • 2010年 住宅ローンアドバイザー資格取得
  • 2011年 損害保険募集人資格・シニアライフコンサルタント資格取得
  • 2012年 2級FP技能士取得、AFP登録
  • 2014年 消費生活コンサルタント資格取得

自宅購入を機に住宅ローンアドバイザー資格を取得し、国内大手生保会社勤務を経て独立。
FP事務所を開設すると共に、元々やっていた漫画家として復帰。
現在は、金融記事やマネーコラムの執筆、それに合わせた一コマ漫画やイラスト等を週刊漫画誌等に連載中。